BtoBサイト成功のポイント

BtoBサイト訪問者の特徴

企業向けの商材・サービスを提供しているサイトを訪れる人が、契約や購入を決めるまでのプロセスは、一般的には「認知」⇒「情報収集」⇒「比較・検討(見積もりや問い合わせ)」⇒選定(商談・契約など)」である場合が多い。
このプロセスの中で、ユーザがWebサイトに求めるものは、多くの場合で「認知」と「情報収集」である。
その中でターゲットとすべきユーザの属性として、「何かしらの課題」を持っており、その「解決方法」を探していると仮定し、その課題解決策となる情報を提供することが、コンテンツマーケティングの本質と言えるだろう。
そのためには、BtoBサイトの訪問者には以下のような特徴がある点を押さえておく必要がある。

  • 商品単価が比較的高価である
  • 主にWebサイトから情報を収集する
  • Google名どの検索エンジンを利用するあ購入決定にかかる時間が長く、何度もサイトを訪れる
  • サイト閲覧者と決定権者が別のケースが多い
  • 決定権者は忙しい場合が多く、冗長な説明や資料を見てもらいにくい

このように、BtoB商材を購入する際の判断基準はBtoCサイトと異なるため、ターゲットに合わせてたマーケティング戦略を検討する必要があります。
訪問者の課題を解決し、Webサイトで成果を挙げるためには、次の3つの視点が重要である。

自然検索からの流入を増やす

知名度が十分でない場合は特に、いかに「認知」してもらうかが重要だ。
情報収集の際にWeb検索を利用するケースは非常に多いので、まずは検索結果にしっかり表示され、可能な限り上位に来る状態をキープするのが理想である。

ポピュラーな手法として、「SEO」や「SEM」が挙げられる。
だが、テクニカルなSEOだけでは、いずれ相対的に評価が下がってしまうので、恒常的な評価UP試作として、オウンドメディアでの記事配信などを活用した「コンテンツマーケティング」も実施すべきであろう。

ユーザが欲しい情報の提供

自社製品やサービスの特徴やスペック等の情報を掲載するだけでは、購入決定には不十分である。
その情報だけでは、来訪者や決裁権者が、自身の課題を解決できるかの判断が下せない場合もあるからだ。
判断を容易にするために、「活用事例」や「利用者の声」といった実際の事例であったり、「導入までの流れ」や「よくあるご質問」といった、現場でのやりとりを起点とした情報を用意することが効果的である。

使いやすさ・見つけやすさ

BtoBサイトを訪れる人の多くは、短時間で欲しい情報にアクセスすることを望んでいる。
その為には「使いやすさ」である「ユーザビリティ」と、「見つけやすさ」である「ファインダビリティ」を徹底的に磨き上げ、欲しい情報に迷わずアクセスできるサイトを構築することが重要である。

コンテンツマーケティングの活用

コンテンツマーケティングとは

「コンテンツマーケティング」の目的は、「ユーザに有益な情報を提供し、既存顧客および見込み客・潜在顧客にビジネスにつながる行動を起こしてもらう」ことです。
ですが定義は知っていても、具体的な作業となると、有効な施策を実施できていないのが現状です。
サイトごとに目標設定は異なるのですが、本質的な考え方は以下の4つが挙げられます。

  1. ユーザにとって価値がある情報と思ってもらえるコンテンツを一定の頻度で発信する
  2. コンテンツを見た人に意図した行動を取ってもらう
  3. Google Analytics や SNSの解析ツールで行動データを蓄積する
  4. 蓄積されたデータを分析・検討し、マーケティングのPDCAサイクルを回す

取得データ例

自社サイト/オウンドメディア

来訪データ(GA等)
メールマガジン

顧客データ/見込み客データ
ソーシャルメディア

ソーシャルメディアデータ
Web広告

出航データ
TV広告

オーディエンスデータ
リアルイベント

イベント参加者データ/アンケート
コールセンター

見込客データ
店頭

顧客データ/販売データ

ここで重要なことは、ユーザの行動データを取得するには、「価値ある情報」と思ってもらわないと見てもらえない、ということ。
価値がある情報だと思ってもらえれば、そのサイトで「申し込む」や「資料請求する」といった、こちらの意図した行動を取ってもらいやすくなります。

コンテンツマーケティングで得られたデータをどう活用するのか

せっかく得られたユーザの行動データですが、うまく活用しないと意味がありません。
マーケティング戦略を立てる際に、どのような活用ができるかを意識しながら検討が必要です。

  1. 見込み客の獲得:コンテンツを発信し、将来的な取引相手になりそうなユーザを連れてくる。
  2. 送客:どんな情報にどんな順番で触れて、購入につながっていくか。顧客のコンテンツにおけるジャーニー、送客のシナリオを知るためにコンテンツを活用する。
  3. キャンペーンの実施:マスやデジタルのキャンペーンの一要素として、複数のコンテンツを企画配信していく。
  4. 刈り取り:購入・申込みの後押しとして、コンテンツを活用する。
  5. ロイヤルティ向上 / コアファン化:見込みのありそうな人や、現在の顧客との信頼関係を深め、ロイヤルティを向上させる。
  6. コンテンツマーケティングを機能させるためには

    コンテンツマーケティングを実施するにあたり、「お金をかけてやってみたのに効果がよく分からない」「今後続ける意味が分からない」、という事態に陥る場合があります。
    それを避けるためには、コンテンツマーケティングを実施する上で、大きく三つの視点を意識して進める必要があります。

    1. 「クリエイティブ×データ活用」の視点

    コンテンツ企画に必要なこと

    • 目的を設定する
    • ユーザの理解を深める
    • なるべく多数のアイデアを出す
    • 世の中のトレンドや技術的な進化を押さえる

    コンテンツ分析に必要なこと

    • 目標を設定する
    • マーケティング全体のゴール / コンテンツ施策のゴール / ビジネス上のゴールを設定する
    • 何を検証するのかを定義する
    • 計測方法 / 計測内容を定義する

    2. 「マーケティング毎の違い」の視点

    マスマーケティングやダイレクトマーケティングとコンテンツマーケティングは、特性や得意領域に違いがあります。
    何が違うのかを正しく理解し、マスマーケティングやダイレクトマーケティングと同じ考え方・同じやり方をしていないか、時々振り返ってみることが重要です。

    マスマーケティングとコンテンツマーケティングの違い

    マスマーケティング コンテンツマーケティング
    キャンペーン型・期間限定 24時間365日
    フロー型 ストック型
    不特定多数へのリーチ 一人一人へのアプローチ
    商品・ブランド・サービス視点 ユーザ視点
    認知・告知 信頼関係作り
    新規ユーザ向け 新規&リピーター向け

    ダイレクトマーケティングとコンテンツマーケティングの違い

    マスマーケティング コンテンツマーケティング
    ゴール:売上 ゴール:目的次第で変わる
    行動データ 行動データ×意識データ
    商品・ブランド・サービス視点 ユーザ視点
    告知&信頼関係作り 信頼関係作り
    新規&リピーター向け 新規&リピーター向け

    3. 「プロジェクト運営」の視点

    コンテンツマーケティングを実施するには、コンテンツを企画・制作することに意識が集中してしまいますが、それと同じくらい重要なことは、「継続して配信すること」「PDCAを回すこと」、「予算内で運用していくこと」です。
    コンテンツマーケティングには、戦略プランニングの他にも、ブランド理解やマーケティング理解、配信コンテンツの企画、制作体制の構築、PDCAのプランニング、プロジェクト管理といった、様々な知見やスキルが必要です。

マーケティングの仕事とは?業務に必要なスキルを確認。

マーケティングとは?

マーケティングとは「売れる仕組みを作ること」です。
顧客・消費者に、継続的に商品・サービスを購入し続けてもらうために、必要なことを考え、実行していくことになります。
ここでいう商品は「目に見えるモノ」の意外の「目に見えないサービス」も含まれます。

仕組み作りの基本的な流れは、実行結果を分析し、「結果が悪ければ改善策の実施」「結果が良ければ継続しつつ追加施策を実施」を繰り返して行きます。

  1. 顧客・消費者のニーズ・ウォンツを知る(市場調査 / 情報収集)
  2. 収集データの分析・考察
  3. 分析結果を元に仮説を立て、戦略と具体的な施策を決定
  4. マーケティング施策を実行

また、マーケティングの重要な目的は「継続的に商品を購入してもらう」ことです。
ユーザのニーズ・ウォンツを常に把握し、世の中の技術確信やトレンドを常に追いかけ、施策をアップデートし続けることが求められます。

マーケティングに必要なスキル

マーケティングを行うには、様々なスキルを複合的に身に着ける必要があります。
また、成果を出すためにはコミュニケーションスキルや実行力も重要です。
具体的には下記のようなスキルが求められます。

  • 市場調査/ 情報収集 / 分析力
    商品やサービスの対する評価、ユーザーに関する情報、広告の効果などの情報を集め分析するスキルです。
    ユーザアンケートやインタビュー、モニター調査などでユーザから収集するものから、アクセスログ等のデータ、キーワード調査、ペルソナ設計、カスタマージャーニーマップ、競合サイトの調査など、様々なツールやフレームワークを駆使して実施します。
  • 仮説設定・戦略立案力
    マーケティングの成果を上げるには「PDCAサイクル」を回す必要があります。
    顧客・消費者の性別や年齢、居住地、職業などを「ペルソナ」として仮説・定義し、その人の立場となってニーズやウォンツを考察し、商品のアピールポイントや広告の訴求軸、コミュニケーション戦略に至るまで、様々な仮説を立て有効と思われる施策を繰り返し実行して行きます。
    仮説を適切に設定できるスキルを持った人材はまだまだ足りていないのが現状です。
  • コミュニケーション能力
    マーケティングの業務は多岐にわたるので、ある程度の規模になるとチームを組んで実施する必要があります。
    チーム内での意思疎通や他部署との連携の他に、ユーザとのやりとりも発生しますし、企画を通すにはプレゼンテーションも必要なので、コミュニケーション能力は欠かせません。

デジタルマーケティングのはじめ方

なぜデジタル化に取り組まなければならないのか?

さまざまな理由がありますが、最も重要な物として、顧客・消費者の行動環境が変化したから。
主な事項として、下記3つが挙げられます。

①顧客・消費者の情報取得方法がスマホにシフトした
②さまざまな顧客関連データを企業が容易に収集できるようになった
③企業変革・イノベーションに欠かせない要素としてデジタル化が求められるようになった

デジタル化は、顧客・消費者と企業・ブランドに新たな関係を構築できるチャンスをもたらします。
ですが、データの収集はできても、それを適切に分析して戦略に落とし込んで実行するのは容易ではありません。

データ分析による効率化・最適化ばかりに注力し、イノベーションを生むための活用ができていない点が挙げられます。
また、「デジタルマーケティングができる人材が不足している」「組織の縦割り」「KPIがあいまい」などの問題もあります。

いきなりデジタル化によるマーケティングは難しいので、部署ごとに取得できる2つのデータのデジタル化からデジタル化を始め、小さな成功体験を重ねて全社に広げていく「Small Data, Small Start.」が有効でしょう。

◆2つのデジタル

コミュニケーションのデジタル化

  • 効率化
  • マス×デジタル最適
  • 精織化
  • 目標達成
  • KPI
  • PDCA
  • 正しいこと

マーケティングの デジタル化

  • 創造性
  • 新規性
  • イノベーション
  • アイデア
  • 顧客体験
  • 共創
  • 新しいこと